安倍なつみ「〜Best Selection〜 15色の似顔絵たち」&「スクリーン」

なっちのベストアルバム「〜Best Selection〜 15色の似顔絵たち」とシングル「スクリーン」の発売からはずいぶん日が経ってしまいましたが・・・(汗)、この二つについて感じたことをいくつか書いておきます。

全体の感想

「似顔絵」とはよく言ったものだ、と思います。


元は一つの顔であっても、似顔絵はそれを描く人によって様々な形になる。そして、似顔絵はそれを見れば元の顔を想像できるが、元の顔を正確に表してはいない。


このアルバムに収められた楽曲たち、いや、なっちがこれまで発表してきたCDに収められた全ての楽曲は、まさに「似顔絵」だと思います。ここから想像される元の顔、そして、元の顔つきから変化したその時その時の顔。今までもそれをコンサート等で感じてきたつもりです。今回のアルバムはその集大成であり、さらに、これからも今回初めて収録された曲や新曲「スクリーン」からそれを感じることができるのではないか。そう強く思わせるアルバムであると思います。


ちょっと感想が抽象的過ぎますかね?(汗)


あと、素人目ながらもう一点。今回初めて収録された曲では歌の表現へのこだわりが感じられるのですが、その「頑張って表現している感」が無くなった時こそが、安倍なつみという歌手が歌手としての大きな階段を一段上った時なのではないかと思います。

DVDの感想

今回のアルバムには、PVが収録されたDVDも付いています。シングルVというものを一回も買ったことが無い私にとって(汗)、PVを一曲丸ごと見るのが初めての曲がほとんどでした。


ということで、曲別の感想の前にPVを見た感想を。


●恋の花

PVの中で唯一と言っていい程、笑顔が多いPVですね(笑)


最近この曲を歌う時のアレンジはバラード調のことが多く、「恋の花」発売当時のなっちのこの曲に対する感覚と、今のこの曲に対する感覚の違いが一番感じられる曲なのではないかと思います。


発売当時、この笑顔満開さ加減に違和感を感じていたことも今となっては懐かしい思い出です(笑)


ザ・ストレス

今回一通りPVを見て、一番良かったのが「ザ・ストレス」です。落ち着いた曲やシリアスな曲の場合、どうしてもその曲のイメージに合わせた動きの少ないPVになってしまうので、「ザ・ストレス」のPVはなっちの曲としては数少ない「PVを見ていて(映像作品として)面白い曲」だと思いました。

曲別の感想

●スクリーン

Aメロ〜Bメロの勢いに比べてサビが若干弱く感じるので、サビにもう少しパンチがあれば良かったと思う反面、単に耳触りだけが良くなるよりはこちらの方がずっと良いのかなとも感じました。


というのが最初に聴いた時の感想です。このことやテンポが感覚的に遅く感じたことから、一度聴いてピンとくる曲ではなかったのですが、それから何回か聴いて、この曲に徐々に馴染んできた感じがします。


●微風

全体の感想で書いたことを一番強く感じたのがこの曲です。来年2月のライブのタイトルにも使われており、「2009年の安倍なつみ」を見ていく上での鍵になる曲になりそうな気がします。


●25〜ヴァンサンク〜(27 Version)

原曲と比べ、アレンジがアコースティックライブ向きになった感じがします。裏ではそういうことが意識されたアレンジなのかな?


息を重ねましょう

アルバム用に歌入れをし直したということで、原曲より可愛らしい感じが出ている感じがします。個人的にはこの曲に関しては原曲の感じの方が好きですが、なっちの“元の顔”に近いのはアルバムバージョンの方かな、と思います。


●鳴り止まない タンバリン

何故この曲が今まで世に発表されることが無かったのか。イントロを聞いた瞬間、その疑問が氷解しました。


「歌手 安倍なつみ」としてのターニングポイント。


あの出来事によって進路変更を余儀なくされたこと。そして、そのことが結果としてソロ歌手としての第二のスタートとなったこと。安倍なつみのソロ歌手としての集大成であるベストアルバムにこの曲が収録されたことは、それ自体が非常に意義深いことであると思います。


また、曲自身も、これを今までお蔵入りさせておかざるを得なかったことがとても悔やまれます。当初の予定通りリリースされていたら、間違いなくなっちの、そしてハロコンでのキラーチューンになっていたと思います。


この曲がなっちに合っているか? なっちファンはみんな合うと思ってますよ・・・多分(笑) ただ、当時の宣伝文句に「新境地を開く曲」と謳われていたように、ファン以外の一般的なイメージがどうかというと何とも言えない部分はありますね。そういう意味でも、もしこの曲が予定通りリリースされていたらその後の展開がどうなっていたか、全く想像ができません。